ウェブ解析士は意味ない?元資格保有者がメリット・デメリットを紹介!
スキルアップ公開日:2023年11月9日 更新日:2024年9月3日
私が「ウェブ上でのマーケティングを学びたい!」と思った時に出会ったのがウェブ解析士という資格でした。
ウェブ解析士は、一般社団法人ウェブ解析士協会が運営する民間資格であり、私も2014年にウェブ解析士・上級ウェブ解析士となりました。
しかし2016年に、資格の更新費用を支払わず、資格は失効となってしまいました。
現在、「ウェブ解析士」と検索をすると
- ウェブ解析士 意味ない
- ウェブ解析士 いらない
などのキーワードが検索窓に表示されます。
この記事では元資格保有者である私が、なぜウェブ解析士の資格を失効することにしたのかも踏まえ、ウェブ解析士を取得するメリット・デメリットについて紹介をします。
ウェブ解析士が意味ないと言われる3つの理由
国家資格ではなく民間資格だから
「ウェブ解析士は意味ない」と言われる一番の理由は、ウェブ解析士は国家資格ではなく、民間資格だからです。
資格の種類は大きく分けて、以下の3つに分類されます。
- 国家資格:国が直接実施または監督する試験に合格することで取得できる資格のこと
- 公的資格:国や地方公共団体が関与する団体や組織が実施する試験に合格することで取得できる資格のこと
- 民間資格:民間の団体や企業が独自に設定・実施する試験に合格することで取得できる資格のこと
国家資格には税理士や司法書士、行政書士など、「先生」と呼ばれることも多い資格から、看護師や保育士、ファイナンシャルプランナー(FP)など、日常生活に身近なものもあります。
国家資格の取得は直接仕事に繋がることが多く、資格保有者でないとその業務をおこなってはならない、という職種も少なくありません。
一方で民間資格は、今回紹介するウェブ解析士を含め、TOEICやTOEFLなど広く認知されているものもあれば、あまり知られていない資格もあります。
加えて国家資格とは違い、「資格保有者でないとその業務をおこなってはならない」ということはありません。
つまり、民間資格は取得してもしなくても仕事やキャリアに殆ど支障はない、と言えます。
このことから、「ウェブ解析士は意味ない」と言われてしまうのだと思います。
昇格や転職で有利に働かない
「民間資格は取得してもしなくても仕事やキャリアに殆ど支障はない」と紹介しましたが、TOEICやTOEFLなど、認知度が高い民間資格の場合、その限りではありません。
しかしながらウェブ解析士はTOEICやTOEFLに比べ認知度が低いが故に、資格を保有するだけで昇格や転職で有利に働くということはありません。
これは私の体験談ですが、前々職のGMO NIKKOに転職した際、上級ウェブ解析士の資格が内定の後押しになったという実感は殆どありませんでした。
というのも、面接時に資格に触れられたことはなく、加えて入社後も「上級ウェブ解析士っていう資格があるんだ」くらいの認知度で、デジタルマーケティングサービスを提供している企業でさえその程度の認知度だったのです。
ちなみに私がGMO NIKKOに転職した2015年4月時点の累計受講者数は15,132人でしたが、2022年8月時点の累計受講者数は49,381人で、その規模は3倍以上になっています。
しかし、まだまだ資格の認知度は高いとは言えないと思います。
民間資格である以上、取得しなくても仕事に殆ど支障はないため、私の周りでも非資格保有者でもデジタルマーケティングに精通した人は多くいます。
資格を保有するだけで昇格・転職に有利に働くことはなく、資格取得を通じて学んだ知識を実務にどう活かすかが重要であることを念頭に置いておきましょう。
世の中には多くの学習媒体がある
情報の民主化によって、本やセミナーだけでなく、ブログや動画など、様々な媒体から情報を取得することができるようになりました。
デジタルマーケティングの学習サービス「デジマナビ」もその媒体の一つです。
「ウェブ解析士マスターからの指導」「分からないことは質問できる」などの講座型の学習サービスならではのメリットがあるとはいえ、転職・昇進に活きないと考えると、民間企業が運営しているデジタルマーケティングの講座型の学習サービスという選択肢もあります。
民間企業が運営している講座型のサービスは、転職支援をしているものも多く、もし転職を見据えた場合は、そちらを選んだほうが良いかもしれません。
「ただ学びたい」というのであれば、このデジマナビをはじめ、Youtubeやブログなど、無料で学ぶことができる媒体は数多くあります。
そのような様々な媒体を吟味した上で、「分からないことがあるから質問したい」「独学は向いていないので対面で教わりたい」という場合は、ウェブ解析士という資格はフィットすると思います。
しかし当然相応の費用がかかり、上級ウェブ解析士まで取得しようとすると、10万円以上かかってしまうので注意が必要です。
ウェブ解析士の資格取得を通じて学べること
「資格取得を通じて学んだ知識を実務にどう活かすかが重要である」と紹介しましたが、ウェブ解析士の資格取得を通じて、具体的にどのようなことが学べるかをみていきましょう。
ウェブ解析士で学べること
ウェブ解析士には認定講座というものがあり、公式テキストを使いながら3時間~4時間ほどの講座を受けることができます。
以下は2023年のウェブ解析士のテキストに含まれている内容です。
- ウェブ解析と基本的な指標
- 事業戦略とマーケティング解析
- デジタル化戦略と計画立案
- ウェブ解析の設計
- インプレッションの解析
- エンゲージメントと間接効果
- ウェブサイトの解析
- ウェブ解析士のレポーティング
基本的な指標の説明から、事業・マーケティング戦略、そしてウェブサイト解析・レポーティングまで学ぶことができます。
あくまで私が取得した2014年の話ですが、ウェブ解析士(当時は初級ウェブ解析士)の認定講座では、この内容を全て網羅するわけではなく、基礎的なポイントをおさえた内容になっています。
ちなみに、デジマナビで提供している全て無料で受けられるコースである「デジタルマーケティング-基礎編」は、2014年当時のこのウェブ解析士の認定講座を意識して作られています。
指標の捉え方や、3Cや4P、ロジックツリーを使った考え方などは、デジマナビであれば無料で学ぶことができます。
上級ウェブ解析士で学べること
上級ウェブ解析士では、ウェブ解析士で学んだ基礎的な知識を踏まえて、マーケティング戦略の構築や、ウェブサイトを解析する上で必要な知識を学んでいきます。
ウェブ解析士の場合、認定講座を受けずに試験だけ受けることもできましたが、上級ウェブ解析士の資格を取るためには、必ず認定講座を受け、修了レポートなどの課題を提出する必要があります。
2014年の頃と若干形式は変わっているようですが、当時もWACA(ウェブ解析協会)のウェブサイト分析を行い、現状をまとめ、改善案を提案するというものでした。
修了レポートは認定講座受講後に提出をする必要があるので、夜な夜なパワーポイントを作成していた記憶があります。
ウェブ解析士では基礎的な用語やデジタルマーケティングの概念を学ぶのに対し、上級ウェブ解析士ではより実務に近いことや、様々なテクニックなどを学ぶ印象がありました。
ウェブ解析士マスターで学べること
私は上級ウェブ解析士までしか取得していないので、実際にウェブ解析士マスターで学べることを具体的に理解しているわけではないのですが、
ウェブ解析士マスターでは、ウェブ解析士を育てるための知識やスキルを身につけることができるようです。
ウェブ解析士・上級ウェブ解析士で学んだこと以上のさらなる専門的な知識やスキルを習得し、その上でどのように人を育てるか、教えていくか、というマネージメントの部分も学べるようです。
そしてウェブ解析士マスターになると、ウェブ解析士の認定講座を主催できるようになるそうです。
ウェブ解析士を取得した方が良い人
失効した私が言うのも変ですが、個人的にはウェブ解析士の資格を取得したことは後悔していません。
私が資格を失効した理由は、先述した「昇格や転職で有利に働かない」という理由が一番大きいです。
そんな中でも、なぜ資格を取得したことを後悔していないか、どんな人がウェブ解析士を取得したほうが良いかについて紹介していきます。
デジタルマーケティングをこれから学びたい人
2014年、当時の私はデジタルマーケティングのことを全く知らない状態でした。
ただインターネットが好きだったので、ウェブサイトがどのように作られているか、サーバーとはなにか、ドメインとはなにかくらいは理解していました。
そして、よりインターネットにつながりのあるスキルを身に付けたいという気持ちでウェブ解析士を取得することに決めました。
ウェブ解析士・上級ウェブ解析士の認定講座の中では、基礎的な知識や実務で使えるテクニックを学ぶことができます。
初心者にも手とり足とり教えていただけるので、第一歩を踏み出すには非常に良い機会だったと思います。
デジタルマーケティングの知識やスキルは、転職後のGMO NIKKOで身につけていったというのが本音ではありますが、その第一歩は紛れもなくウェブ解析士という資格でした。
結果的に転職や昇格には有利に働きませんでしたが、「何も知らない状態から学びたい」という人にはウェブ解析士という資格はおすすめだと思います。
学習の強制力が欲しい人
とはいえ、現在はブログやYoutube、そしてこのデジマナビなど、様々な媒体を通じてデジタルマーケティングの学習をすることができます。
そんな中でウェブ解析士含め、講座型の学習サービスを選ぶ利点は「学習の強制力」にあると思います。
「お金を払って参加表明をしたら、講座を受けて学ばなければならない」という枷を負うことで、「学習をしなければならない」という意識が強くなります。
一方でブログやYoutube、デジマナビなどは、あくまで独学の範囲なので、学習意欲を自らで律しなければなりません。
そのため「追い込まれないと動けない」という方には、ウェブ解析士含め、講座型の学習サービスを選んだほうが良いと思います。
ウェブ解析士コミュニティに参加したい場合
ウェブ解析士になると、ウェブ解析士協会の会員になることができます。
会員になると、会員限定のコンテンツを閲覧できたり、親睦会やセミナーに参加することもできます。
同じ内容を学んだウェブ解析士同士であれば、同じ目標を持っていたり、似たような仕事をしている人も多くいるでしょう。
そのような方々と情報・意見交換ができたり、ひいては仕事の受発注ができる関係になれることはメリットの一つと言えるのではないでしょうか。
但し注意点としては、そのような会員コミュニティに積極的に参加しなければ、ウェブ解析士の資格をもって新しい仕事を受けることはできません。
資格を持っているだけで勝手に仕事が舞い込んでくる、ということはありません。
資格を活かすのも自分次第なので、なんとなく「資格があった方が有利かもしれない」と思っている人には向いていない資格だと思います。
ウェブ解析士は意味ないのか?まとめ
これまで説明してきた通り、ウェブ解析士は「資格を取るだけで色々なことが有利に働く」という資格ではありません。
おさらいですが、ウェブ解析士が意味ないと思われてしまう理由は以下の3つです。
- 国家資格ではなく、民間資格だから
- 認知度が低いので昇格や転職で有利に働かないから
- 世の中には多くの学習媒体があるから
しかし、ウェブ解析士の資格取得を通じて得られる恩恵も少なからずあります。
これからデジタルマーケティングを学びたい人の中でも、学習の強制力が欲しい方や、ウェブ解析士コミュニティに参加したいという方にはおすすめの資格だと思います。
また、ウェブ解析士の資格取得の予習として、このデジマナビも活用できると思います。
繰り返しになりますが、「デジタルマーケティング-基礎編」は、2014年私がウェブ解析士の資格を取得した時の認定講座を意識して作ったコースであり、全て無料で体験することができます。
もし興味があれば、デジマナビのレッスンもあわせて受講してみてください。