マーケティング・ビジネス実務検定とは?概要や難易度、合格率などを解説
スキルアップ公開日:2025年4月18日 更新日:2025年4月22日

マーケティング・ビジネス実務検定は、国際実務マーケティング協会が主催する、マーケティング実務の知識を総合的に判定するための検定試験です。また、2005年から続く民間試験です。
特定の業界や業種を問わず、幅広いマーケティングの知識や直ぐに実践で使えるスキルを評価・認定することを目的としています。マーケティング業界では最も歴史の長い検定試験で、多くのビジネスパーソンから信頼を集める、比較的名の知れた資格です。
この記事では、マーケティング・ビジネス実務検定の概要や内容、難易度などを解説していきます。
【この記事で分かること】
- マーケティング・ビジネス実務検定はどういう検定なのか
- 何が身に付くのか
- どういう人におすすめなのか
目次
マーケティング・ビジネス実務検定とは?
マーケティング・ビジネス実務検定では、基本的なマーケティング理論だけではなく、すぐに仕事で役立つ総合的なマーケティング実務の知識や時事情報・実務事例を習得できます。マーケティング理論に加えて、すぐに実践で使える知識や情報を兼ね備える点が特長的です。
マーケティングの知識は、幅広い業種や業界で役立つ知識です。この検定は、様々な業種や業界で活用できるマーケティングの知識やスキルの習得を目的としているので、マーケティングを専門職としていない人にもおすすめします。
マーケティング・ビジネス実務検定の難易度はどれくらい?合格率から解説
マーケティング・ビジネス実務検定の合格率は、公式には公表されていません。
マーケティング・ビジネス実務検定にはC級、B級、A級の3つのランクがあります。難易度はC級が最も低く、A級が最も高くなっています。
各階級の試験で問われる内容は以下の通りです。
ランク | 内容 |
C級 | マーケティング・オペレーション基礎レベル(定型業務ができるレベル)の知識 |
B級 | マーケティング・オペレーション応用レベル(業務の運営ができるレベル)の知識 |
A級 | マーケティング戦略およびマネジメントレベル(戦略立案、意思決定や管理、判断業ができるレベル)の知識 |
マーケティング・ビジネス実務検定の試験内容
マーケティング・ビジネス実務検定の内容は、初級のC級から上級のA級で難易度が変わります。全ての級に共通しているのは、マーケティングの枠組みや概念の知識問題です。A級のみ、記述式の問題が出題されます。
全ての級で共通している試験内容は以下の通りです。
科目 | 内容 |
マーケティング知識 | 1.マーケティング概念 |
2.マーケティング・コンセプト | |
3.戦略的マーケティング | |
4.マーケティング・マネジメント | |
5.市場細分化 | |
6.標的市場設定 | |
7.マーケティング・リサーチ | |
8.消費者行動 | |
9.製品戦略 | |
10.価格戦略 | |
11.流通チャネル戦略 | |
12.プロモーション戦略 | |
13.マーケティング情報システム | |
15.グローバル・マーケティング | |
16.新しいマーケティング | |
マーケティング事例 | 1.時事問題 |
2.事務ケース |
マーケティング・ビジネス実務検定:C級
C級は、初級レベルでマーケティング・ビジネス実務検定の中でも一番難易度が低い内容になっています。
マーケティング・オペレーション基礎レベル(定型業務ができるレベル)の知識が問われます。
マーケティングの基礎知識を身に付けたい人や初めてマーケティングの業務を行う人におすすめです。
合格基準は、マーケティング知識とマーケティング事例の2科目合格点(200点)の80%(160点)です。
マーケティング・ビジネス実務検定:B級
B級は、中級レベルで、マーケティング・オペレーション応用レベル(業務の運営ができるレベル)の知識が問われます。
マーケティングのトレンドや関連法規を知りたい人、マーケティングの立案戦略ができるようになりたい人、マーケティングスキルを強化したい人におすすめします。
合格基準は、マーケティング知識とマーケティング事例の2科目合格点(300点)の70%(210点)です。
B級とC級は同時受験が可能です。
マーケティング・ビジネス実務検定:A級
A級は、上級レベルで、マーケティング戦略およびマネジメントレベル(戦略立案、意思決定や管理、判断業務ができるレベル)の知識が問われます。
マーケティングの戦略立案や、意思決定や管理ができるようになりたい人、マネジメントに必要な知識を身に付けたい人におすすめします。
合格基準は、マーケティング知識とマーケティング事例の2科目合格点(300点)の各回で、試験委員長が定めた基準点です。
A級とB級は同時受験が可能です。
マーケティング・ビジネス実務検定を受けるメリット
マーケティング・ビジネス実務検定は、様々な分野で活用できる資格です。
この資格を勉強することで、マーケティングに関する知識や実践で役立つスキルを身に付けることができます。また、マーケティング業界やIT業界に就職・転職する際に、マーケティングの知識があると証明し、ポジティブな印象を与えることができます。
マーケティングの知識は、マーケティング業界やIT業界に限ったものではありません。幅広い分野で活用できる有益な知識であり、資格を取得することで、マーケティングの視点からビジネスを見ることができるようになります。
マーケティング・ビジネス実務検定を受けるデメリット
マーケティング・ビジネス実務検定の資格を取得すること自体に欠点はありません。しかし、取得のための時間を確保しなければならない点や資格を取得したからといって、必ずしも就職・転職に有利になるとは限らない点などを見れば、デメリットが存在します。
また、実務的なスキルを身に付け、向上するためには、実際の実務から経験を積んで継続した学習をする必要があります。
マーケティング・ビジネス実務検定は合格後活かせる?就職・転職への影響
マーケティング・ビジネス実務検定は、マーケティングの基本的な理論から実務的な知識までを体系的に学べる資格です。実際にこの資格を取得した後、どのようにキャリアや転職活動へ活かすことができるのでしょうか?
ここでは、合格後の活用シーンや企業側の評価、他資格との使い分けなどを含めて解説します。
マーケティング・ビジネス実務検定は、以下のような場面で活用されています。
合格後に活かせる主な場面
マーケティング・ビジネス実務検定は、以下のような場面で活用されています。
- 未経験からマーケティング職にキャリアチェンジしたいとき
- 営業・企画・広報など他職種からマーケ業務を理解したいとき
- Webマーケティングの全体像を把握したい新卒・若手社員の研修教材
とくにC級はマーケ未経験者の入門資格として、B級以上は実務理解・提案力の証明として活用されることが多い傾向にあります。
就職・転職する際に企業が見るポイント
- 未経験からマーケティング職にキャリアチェンジしたいとき
- 営業・企画・広報など他職種からマーケ業務を理解したいとき
- Webマーケティングの全体像を把握したい新卒・若手社員の研修教材
また、B級やA級は難易度も高いため、「専門性を持って長期的にマーケ分野に関わっていく意志がある」と受け取られる場合もあります。
キャリアアップや部署異動の交渉材料にも使える</3>
特に社内でマーケティング業務への異動を希望している方や、営業・企画職から戦略系の役割にシフトしたいと考えている方にとって、この資格は自己学習の証明”として上司や人事へのアピール材料になります。
「資格があるから異動できる」という直接的な話ではなくても、行動実績やスキル可視化の一手として機能するため、キャリアチェンジや昇進を狙ううえでも有効に活用できます。
試験日程・申込方法・受験までの流れ</2>
マーケティング・ビジネス実務検定は、年に複数回の実施があり、級ごとに試験形式やスケジュールが異なるため、事前の確認と準備が非常に重要です。
ここでは、2025年の試験日程を中心に、申込方法や受験までの具体的な流れをC級の例をもとに解説します。
2025年の試験日程(最新情報)
2025年は、C級・B級・A級を対象とした試験が以下の日程で実施されます。
実施日 | 対象級 | 試験方式 | 申込基本 |
6月8日(日) | 第58回B級、第68回C級 | Web試験 | 3月27日~5月26日 |
8月3日(日) | 第69回C級 | Web試験 | 6月12日~7月22日 |
11月2日(日) | 第11回A級(会場)、第59回B級・第70回C級(Web) | 会場・Web併用 | 9月4日~10月20日 |
※A級のみ会場試験(東京・大阪・名古屋)を予定。その他はすべてWeb試験となります。
※日程や実施内容は変更になる場合がありますので、最新情報は公式サイトをご確認ください。
申込方法と支払い手続き
申し込みはすべて公式サイトの「MHJ OFFICIAL STORE」からオンラインで行います。手順は以下のとおりです。
- 公式サイトにアクセスし、希望する級と試験回を選択
- 申込者情報を入力
- 支払い方法を選択(以下のいずれか)
- クレジットカード(VISA/Master)
- キャッシュレス(PayPay)
- 銀行振込(申込締切日までに振込必須)
支払い完了後、領収書はマイページからダウンロード可能です。
一度支払った受験料は返金不可、級や日程の変更も不可となっています。
C級試験の当日スケジュールと流れ(Web受験)
C級試験はオンラインで実施されます。事前に送られてくる受験アカウントでログインし、試験時間内であれば任意の時間で受験が可能です。
【試験科目と所要時間】
科目 | 所要時間 | 主な形式 |
マーケティング知識 | 60分 | 正誤式・選択式・語群選択・三答択一式 |
マーケティング事例 | 45分 | 語群選択・三答択一式(設問ごとに制限時間あり) |
※2科目は別々に受験。マーケティング知識を先に終了してから事例へ進む形式です。
▶ 試験は任意の時間に開始可能ですが、アクセス集中を避けるため、朝や最終時間直前は避けるのがおすすめです。
▶ デモテストを必ず事前に受けて、PCやブラウザが正しく動作するか確認しておきましょう。
試験結果と再チャレンジ制度について
試験結果は「合格」「不合格(再チャレンジあり/なし)」「欠席」のいずれかで表示されます。
合格者には、PDF形式の合格証と合格ロゴデータが配布されます(試験終了直後~数日後)。
C級のみ、Web試験で不合格だった場合は次回試験に1回限り無料で再チャレンジ可能です。対象者には専用クーポンがメールで届きます。
試験に必要な環境と注意点
Web試験は自宅で受験できますが、以下の環境が必須となります。
- 安定した通信回線(有線または高速Wi-Fi推奨)
- 使用端末(PC推奨/スマホ・タブレットも可)
- 使用端末(PC推奨/スマホ・タブレットも可)
- 試験中は1人で受験すること(複数人での受験禁止)
※カメラやマイクは不要。共有PCや公共施設のPCの使用は推奨されません。
※日本時間での受験となるため、海外から受ける場合も注意が必要です。
まとめ
マーケティング・ビジネス実務検定は、マーケティング分野の基礎的な知識から実務的な応用スキルまでを身に付けることが可能な検定です。
資格を取得することで、様々な分野で知識やスキルが活用でき、仕事をする上で視野が広がったり、ITやWeb業界に就職や転職する際も有利に働いたりする場合があります。
Webサービスの需要が高まっている今、マーケターだけではなく、どの分野のどの業種においてもマーケティングの知識を持っておくことは大切です。
仕事の幅を広げたい人やキャリアアップしたい人は、マーケティング・ビジネス実務検定に挑戦することをおすすめします。
この記事を書いた人

株式会社Qoox新人社員。金融やインフラの仕事を転々としながらQooxへ入社。ITやデジタルマーケティングについて毎日勉強中。